まともがわからない

虚実半々くらい

2021-01-01から1年間の記事一覧

くそったれ人生にさよならぽんぽん

M-1グランプリ2021の決勝進出者発表があり、ランジャタイが初めて決勝へとコマを進めた。 ランジャタイのお笑い評論みたいなのはもう巷で語り尽くされていると思うので、個人的な思い出を話したいと思う。 そもそも、僕は人とお笑いの話をするのがそんなに好…

むすんでひらいて

モバイルバッテリーを取り出そうとして肩を滑らせたリュックを地面に落としてしまった。 リュックの横には小さなミミズがいて、突如横に降ってきた巨大な落下物に怯えるようにクネクネと身を捩らせていた。 普段だったら気持ち悪いと感じてしまう光景だが、…

仮面をはずさないで

リキッドルームに坂本慎太郎さんのライブを観にいった。 完全入替二部構成の第二部、早めにチケットの抽選に当選したこともあって最前列を確保することができた。挨拶とメンバー紹介以外のMCなし、アンコールなし、一時間ピッタリのストイックなステージ。ソ…

崖の上の…

夏なので怪談話でもひとつ、と思ったが、あいにく僕は実体験としての心霊話を持ち合わせていない。 子供の頃から心霊特番や都市伝説が好きで、友人たちと廃墟や心霊スポットを巡っていた罰当たりな時期もあったが、僕にはいわゆる霊感というものが生来備わっ…

Only In Dreams

子供の頃に好きだった女の子が夢に出てきた。 正直、顔は全く覚えておらず、夢の中の表情もピンぼけしているのだが、何故だかはっきりとその女の子であると認識できる。 夢の内容を滑々と語らう程野暮ではないが、中学、高校、大学のクラスメイトが十把一絡…

真夏にキャメルのコート

自分や周囲の人々の人生がゆっくりと鈍い音を立てて動き出すのを感じる、どことなくアンニュイな2月の夜。 結構前に友達に分けてもらったキャメルに火をつけたのは、前日にシーシャを吸ったばかりの肺が煙の味を未練がましく求めていたからなのかもしれない…

牛丼にまつわるエトセトラ

牛丼屋に行くといつも、店外のポスターで大々的に宣伝された期間限定メニュー的なやつを、ほとんど反射で注文してしまう。しかも大盛りで。そして食後(松屋の場合は味噌汁を飲んでいるタイミングで)、普通の牛丼の並でよかったな、と毎度後悔する。もう何…

くすりをたくさん

日曜日は最高。 10時過ぎまで眠れるから。 ボーッとする頭のまま、何となくニンテンドースイッチを起動する。 モンスターハンターの新作が出るらしく、体験版があったのでダウンロード。 PSP版が発売された中学生の時は、授業中も机の下でせっせと狩りに勤し…

スローガン、スローダウン

社内で人権標語の公募があった。 人権標語と言うのは「ありがとう/その一言が/社会を変える」みたいな、小学4年生あたりが硬筆の訓練で書きそうな、純真無垢かつ偽善に満ちた自由律のメッセージであり、一体誰から誰に向けられているのかもよくわからない謎…

カタとやわとの間には

「バリカタ」なんて粋な言葉をいつから使うようになったんだろう。 僕の故郷の和歌山もわりとラーメンが有名だけど、麺の硬さは店によってマチマチなように思う。 僕の祖母は実家の近くでラーメン屋を営んでいて(残念ながら今はないんだけど)、鍵っ子だっ…

今夜、すべての

とある夜のこと。 二軒目としてアテにしていた飲み屋が満席であったため、ふらふらと夜の街を彷徨っていた我々は、店内から漏れ聞こえるピアノの音に誘われるように一軒のジャズバーの扉を開いた。 ジャズバーは実際にジャズメンが生演奏するタイプの店と、…