まともがわからない

虚実半々くらい

牛丼にまつわるエトセトラ

牛丼屋に行くといつも、店外のポスターで大々的に宣伝された期間限定メニュー的なやつを、ほとんど反射で注文してしまう。しかも大盛りで。そして食後(松屋の場合は味噌汁を飲んでいるタイミングで)、普通の牛丼の並でよかったな、と毎度後悔する。もう何度こんなことを繰り返せば気が済むのか。

 

 

平日の昼下がり、牛丼屋の前で人を待っていると、中学生男子のグループがイキり散らかして店内へと入って行った。初めて子供たちだけで外食する時って、なんか気恥ずかしいような、ちょっと大人になったような感覚あったよなー。学校のテレビで一瞬「笑っていいとも」が映って、全然どうでもいい芸能人なのにちょっと知ったかぶりしちゃうようなあの感覚。俺も初めて友達同士だけで行ったの牛丼屋だったなー。あれ、ラーメン屋だったっけな。どっちでもいいや。

 

 

松屋の目玉焼きが乗ったハンバーグ定食は、その名を「ブラウンエッグ定食」という。

かわいい。

 

 

うちの母は肉がほとんど食べられないのに、肉料理は器用に作る。牛丼もその一つだ。

そもそも肉のエキスがだめらしく、タマネギすら味見できない状態で毎回同じ味付けになるのだから感心してしまう。一度だけめちゃくちゃにしょっぱい牛丼が食卓に並んだことがある。今時ホームドラマでも見ない、砂糖と塩を間違える激ベタうっかりをかました夜、母は少し寝込んだ。

 

 

紅生姜のない牛丼は牛丼の味がしなかった。

もしかしたら俺は紅生姜丼に肉を乗せて食っているのかもしれない。

 

 

牛丼は確か英語で「ミートボウル」だったよな。

いいのか、そんなことして。お弁当界のファンタジスタ、ミートボールさんに怒られないのか?

なんて心配していたが、よくよく考えたら「ビーフボウル」だった。

心配すべきは自らの知性だった。