まともがわからない

虚実半々くらい

真夏にキャメルのコート

自分や周囲の人々の人生がゆっくりと鈍い音を立てて動き出すのを感じる、どことなくアンニュイな2月の夜。

結構前に友達に分けてもらったキャメルに火をつけたのは、前日にシーシャを吸ったばかりの肺が煙の味を未練がましく求めていたからなのかもしれない。

ラーメンズのコント、「プーチンとマーチン」ではマーチンがキャメルのことを「ラクダ味のタバコ」だと言っている。

 

www.youtube.com

 

ラクダの味ってどんなんだろうかとYoutubeで調べてみると、ディスカバリーチャンネルラクダを捌いている動画が見つかった(かなりショッキングな映像なので閲覧は自己責任で)。ろくに調理もせず食べているので当然のことだが、どうやら臭くて堅くてとても食べられたものではないらしい。また、「ベルベル人は非常時になるとラクダの生存に支障がないように脂肪を切り出して食べる」だとか、「遭難した遊牧民ラクダの胃の中の水を飲んで生き長らえた」だとか話しているが、そんなことが可能だとも到底思えない。かなり眉唾で得体が知れない。

 

ふと傍のキャメルの箱を眺めてみると、プログレバンド「Camel」や日本だと「休みの国」のジャケットを想起させるのっぺりとしたヒトコブラクダのイラスト以外には、タール量もニコチン量も一切情報が記載されておらず、こちらも得体の知れなさという点ではラクダの肉とそう変わらないのではないかと恐ろしくなって、まだ半分ほど残っているタバコの先端で不気味に光る炎を靴底で揉み消した。

 

www.youtube.com